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べーパーロック現象

どんな現象か

坂道や高速走行時に、強いブレーキや長い時間でのブレーキ操作を頻繁に続けることで、ブレーキの効きが悪くなる、または効かなくなる現象です。



べーパーロックが起こる仕組み

べーパーロック現象はブレーキのシステムの中に、熱により発生した気泡が,
”ブレーキペダルを踏むことで発生する圧力”を邪魔してきかなくしていることが原因でおきます。

その気泡というのはブレーキフルードの中に含まれた普通の水分が、ブレーキングによって発生した熱で沸騰した結果にできるものです。


ブレーキというのは通常、液体式ブレーキという形式のものが使われていますが、ブレーキペダルを踏むことで液体のブレーキフルードが押され、その圧力で摩擦をする部品を押し、駆動輪を摩擦して車を制動します。高速で回転しているものを摩擦で制動しているわけですから、そこには必ず熱が発生します。その熱によって直接摩擦を行う部品(ブレーキパッド)からそれを挟み込む部品(キャリパー)へと熱が伝わり最後にはブレーキフルードへと伝わります。

その熱によって、ブレーキフルードが過熱してしまうわけで、走ってるとき走ってないときとの温度差でフルードの中には水滴ができてしまいます。その水分が、またその熱で加熱されて沸騰してしまうことで気泡が発生し、べーパーロックが起こります

ですからブレーキを強く、長く頻繁にと、そのような酷使を続けていれば、ベーパーロック現象が起こりやすくなります。また普通に走っているだけでも確実に温度差による水滴は発生していますから、長期間フルードを交換していないと余計にベーパーロック現象が起こりやすくなります。

また参考にも、競技用の車に使われている車のブレーキフルードは、競技後にはたばこの火がつけられるほどに高温になっているそうです。



ブレーキフルードについて

ブレーキフルードには特有の成分が含まれていて沸点が普通の水よりも高くなっていますが、水分が含まれると確実に沸点は下がります。またブレーキフルードは成分上、吸湿性が非常に高く、いったん水分を吸収すると抜けにくくもなってしまいます。長期間交換していない場合は、ちょっとづつたまっていった水分によってベーパーロック現象や、そのほかブレーキシステム内の錆などの悪影響を及ぼします。目安としては1年、または1何キロ走行に1回、定期的に交換することが必要となります。

またエンジンルームを点検した時にブレーキフルードの量が少なくなっていても継ぎ足しはしない方がいいでしょう。それはブレーキシステムは、油圧で押されたり、また戻ったりというピストン運動をしているので、その影響で油量が少なくなっているわけでなくただ下がっているだけという場合があるからです。心配な場合は専門家に見てもらうといいでしょう。

もし何らかの場面で、継ぎ足しを行う場合は必ず純正の規格のものを使用することも重要です。ブレーキフルードには沸点の高さの違いでいくつかの種類があります。違う種類のものを入れてしまったら性能などに大きく影響します。


ベーパーロック現象を未然に防ぐために


先にも述べましたが、定期的なブレーキフルードの交換は必要不可欠です。
またブレーキ操作においても、ブレーキの使用過多を避けるようにすることが大事です。

坂道や高速走行時の減速などの時は、マニュアル車であればアクセルを離せばエンジンブレーキが効き、ギアを1段下げることでさらに自然制動力を発生させることができます。オートマ車ならオーバードライブOFFのスイッチを押し最高速ギアに入らないようにしたり、さらに制動力を得たい場合は、3(サード)、2(セカンド)、などにシフトチェンジして強い制動力を得ることもできます。ただ急激すぎるシフトダウンは故障につながりますのでやめた方がいいですが、ギアを下げるということでエンジンブレーキが効きブレーキを踏む回数が減るはずですので、ベーパーロック防止には確実に有効です。




もしベーパーロックが起きたら?

もしもベーパーロックが起きてしまった場合、まず大事なのは車を少しでも安全に止めることが大事です。

たとえば坂道であったら、できる限りシフトダウンだけで徐々に減速していき、ハンドブレーキをかけておく。それでも止まらず危険を回避できない状況であれば、ガードレールなどにすって停止させることも可能です。



フェード現象

どんな現象か

効きが悪くなるという点ではベーパーロックと同じですが、根本的な原因は異なり、ベーパーロックがブレーキオイルの問題であるのに対し、フェード現象は摩擦部品そのものの問題と言えます。



フェード現象がおこる仕組み

フェード現象は、直接摩擦を行い車を制動する部品が、ブレーキ使用過多によって高温になりその熱の影響で摩擦する力がなくなってしまう現象です。

車輪と一緒に回転するブレーキローターという金属を、ブレーキパッドというブレーキシステム側の金属で挟み込むことによって、摩擦により車は制動されますが、そのブレーキローターとブレーキパッドの摩擦力自体がなくなてしまうのがフェード現象です。


また上記の熱によって発生するフェード現象を熱フェードとも言いますが、熱の影響ではなく、水たまりなどを走行しブレーキローターとパッドの間に水が入り込んで起きる、同じようなブレーキが利かなくなる現象をウォーターフェードと言います。


対処

熱フェードの場合、いったん効かなくなったら車を止めて冷却するしかありません。かといって水をかけて冷却するのは厳禁です。あくまで自然冷却です。
また、一度熱フェードを起こしたパッドは表面に「焼きが入った」状態になり、性能が変わる(一般的には劣化する)ことが多いので注意です。

ウォーターフェードの場合、しばらくブレーキをかけ続けながら走行することによって水分が蒸発しますので回復できます。



エンジンブレーキについて





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