オートマチックトランスミッション
速度に応じてギアというのはチェンジしていかなくてはいけません。
そのギアチェンジを機械が自動で行ってくれるのがオートマチックトランスミッションです。マニュアルトランスミッションにはクラッチペダルがありますが、オートマチックトランスミッションにはありません。クラッチを切らなくても、ギアチェンジをしたり動力伝達を抑えたりできる機能を持った優れた機械だからです。
オートマチックトランスミッションでは液体（オイル）によって動力伝達を行っています。マニュアルトランスミッションでは完全にギアのかみ合わせによって動力が伝わりますが、オートマはマニュアル車のクラッチに当たる部分に液体クラッチという装置を使っています。
液体を仲介して動力をつたえているので、停車している時でもその伝達の力を逃がすということができ、エンジンとつながったままブレーキを踏んでいるだけで停車できるのです。またシフトを操作する部分にも特別な機能を備えているので、最適なギアに自動でチェンジしてくれます。
操作方法
シフトレバーにはPやRやNなどの文字が書いてありますが、その意味と使い方を説明します。
P・・・パーキング
駐車時に使用します。駆動輪がすべてロックします。
R・・・リバース
バックする時に使います。
N・・・ニュートラル
エンジンの動力が伝わってない状態です。
D・・・ドライブ
エンジンの動力が伝わっている状態です。走る時に使います。
2・・・２速
２速より上のギアに上げたくないときに使います。
1（L）・・１速（ロー）
１速より上のギアに上げたくないときに使います。
シフトレバーには親指で押す大きめのボタンが付いていますが、
それはパーキングからリバースにするとき、リバースからパーキングにするとき、ニュートラルからリバースにするとき、２速から１速にするときなど、大きな変化のときにそのボタンを押しながら操作するようにできています。
間違ってシフトレバーに当たってしまったり、ついうっかりミスで動かしてしまってオートマの装置をこわさないように、ということです。
オーバードライブ on.offスイッチ
シフトレバーの手前側に小さめのスイッチがあります。
最高速ギアにならないようにするためのスイッチです。
４速車なら３速まで、５速車なら４速までしか上がらないようにするための機能です。
オーバードライブ
エンジンと、オートマやマニュアルなどのトランスミッションは、簡単に言えばギアで動力が伝わっている仕組みです。
ここでたとえば１速や２速のギアを考えてみましょう。
１速にちかずくにつれ、ギアの大きさは大きくなります。
確実にエンジン側についているギアよりも直径が大きいので、エンジン側のギアよりも回転数が少なくなります。
その代わりに大きな力が出ます。
違う大きさの歯車どうしをかみ合わせて回転させたら、小さい方は１回転しても大きい方は１回転も終わってません。この原理です。
ただ１回転するのに時間をかけますから逆に力はあります。
そしてたいてい５速仕様の車であれば４速のギアの大きさがが、一般的にエンジン側のギアと同じ大きさのギアになります。
ここの４速ではじめてエンジン側のギアと同じ大きさのギアで回転数が一緒になり同じ動力になるわけですが、ここを基準として考えて４速以上に直径が小さいギアの５速をオーバードライブと言います。小さい分回転はエンジンの回転以上の回転数（速さ）ですが、力はもっとなくなります。
エンジンブレーキ
減速などでエンジンブレーキを使うときはオーバードライブスイッチをoffにしたり、さらに制動力がほしければさらに下のギアにします。
クリープ現象
ドライブ（D）に入れるとアクセルを踏まなくても前に進んでしまいます。
それをクリープ現象と言います。
オートマはドライブ（D）になっていれば常にエンジンとつながっています。
ただ液体を仲介しての動力伝達なので、停車中にニュートラルにしなくても
ドライブのままで停車できます。
それは液体だから伝達の力を逃がせるからです。しかしつながっている以上は少なくとも、動力を伝えようと働きかけます。ブレーキをちゃんと踏んでいれば動きませんが、ブレーキが甘かったり、離したりすると前に進みます。停車中はニュートラルにするか、しっかりとブレーキを踏んでいましょう。
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